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【分解】Microsoft HoloLens
米Microsoft社が開発した光学透過型ヘッドマウントディスプレー(HMD)「Microsoft HoloLens」の分解の様子を紹介する。

 いよいよ、米Microsoft社の光学透過型ヘッドマウントディスプレー「Microsoft HoloLens」を分解する。日経テクノロジーオンライン分解班は、東京八王子市のめじろ台駅に降り立った。目的地はタッチパネル研究所。同社には以前、米Apple社の「Apple Watch」や「iPhone 7 Plus」などの分解で協力を得ている(関連記事:「Apple Watch分解詳報 ディスプレーモジュール編」、「薄型化しなかった新iPhone、それでもFOWLPを使う理由」)。HoloLensは内部に複雑な光学部品類や多数のセンサーを有するため、安易に分解すると精密な部品を紛失したり破壊したりしかねない。そこで再び、達人の助力を仰ぎに来たのである。

 タッチパネル研究所に到着すると、待ち構えていた分解担当者は嬉しそうに工具を見せてくれた。米iFixit社のドライバーセットで、54種類ものビットが付属している。HoloLensにどんなねじが使われていても対応できそうである。

HoloLensのリモコン「クリッカー」から分解(写真:加藤 康、以下同)
HoloLensのリモコン「クリッカー」から分解(写真:加藤 康、以下同)
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 まずは手軽そうな「Clicker(クリッカー)」から手を付ける。クリッカーはHoloLens本体とBluetoothでペアリングするコントローラーで、手を使ったジェスチャ―動作の代わりに「クリック」「スクロール」などの操作が可能だ。ケースにへらを差し込んで力を加えると、簡単に開いた。

 中身は1枚の基板だけとシンプルな構造である。香港Amperex Technology(ATL)社製の電池が搭載されていた。電池の搭載部の真裏に当たる基板面には、金属シールドが貼られていた。シールドをはがすと、英Dialog Semiconductor社のBluetooth対応SoCが現れた。

シールドをはがす
シールドをはがす
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あらわになったクリッカーの中身。基板には「Microsoft」の字
あらわになったクリッカーの中身。基板には「Microsoft」の字
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