アイ・エム・エス・ジャパンの松井信智氏
アイ・エム・エス・ジャパンの松井信智氏
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 新薬開発の難度は増し、治験の負担も増えるばかり、既存薬の特許も次々と切れていく――。多くの課題を抱える製薬業界が“救世主”として期待を寄せるのが、データを活用した研究開発やマーケティングの手法だ。新薬に対する潜在ニーズを明らかにしたり、既存薬の効果と患者像の関係を明らかにしたりすることで、効率的で効果的な新薬開発や患者のケアにつなげようという試みだ。

 医薬品の効果検証はこれまで、特定の条件下で限られた患者を対象にする臨床試験(治験)に頼ってきた。対して、データ活用が可能にするのは“実世界”での効果検証。不特定多数の患者を対象とした実診療/日常生活での検証だ。

 こうしたフィールドで集めるデータをリアルワールドデータ(Real World Data)と名付け、その有用性を訴えているのが、製薬業界向けコンサルティングなどを手掛ける米IMS Health社である(関連記事)。日本法人のアイ・エム・エス・ジャパンの松井信智氏(コンサルティング&サービス プリンシパル、中小企業診断士/薬剤師)に製薬業界の現状、そして同社の取り組みについて聞いた。

 松井氏は2016年2月26日開催のセミナー『医療ビッグデータサミット 2016 ~研究から臨床/実サービスへ~』(主催:日経デジタルヘルス)に登壇。「新薬開発にリアルワールドデータ活用の動きが活発に」と題して講演する。

(聞き手は大下 淳一=日経デジタルヘルス)