2015年からは指定されたポータルを巡る「ミッション」というゲーム内の機能を活用し、横須賀市独自のミッションを策定して集客につなげた。ミッションを達成するともらえる「メダル」のデザインは職員が手掛け、地元のプレーヤーと相談しながらルートを作成した。「職員自らゲームに入れ込んだ結果、アイデアや協力者が次々と出てきた」と古崎氏は振り返る。

 集大成となったのが、2015年10月31日に開催したイングレスの公式イベント「ミッション・デイ・ヨコスカ(Mission Day Yokosuka)」。国内外から2000人以上のプレーヤーが横須賀に集結。丸一日掛けてイングレスを楽しんだ。イベントに合わせて合計38軒もの飲食店などが「イングレス割」に参加したのも見逃せない。「参加願いを回覧したら予想以上の店舗が手を挙げてくれた」と古崎さんは笑顔で話す。

(提供:横須賀市)
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イングレス観光活用の集大成となった「ミッション・デイ・ヨコスカ(Mission Day Yokosuka)」の様子
イベントに合わせて行われた特別対談の様子。実は米ナイアンティックの川島 優志氏(左)と横須賀市の吉田市長(右)は大学時代から旧知の仲(提供:横須賀市)
イベントに合わせて行われた特別対談の様子。実は米ナイアンティックの川島 優志氏(左)と横須賀市の吉田市長(右)は大学時代から旧知の仲(提供:横須賀市)
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商店街が自主的にポケモンGOイベント、今後は地元の取り組みを支援

 横須賀市のドブ板商店街は2016年11月5~6日に「ドブ板バザールdeポケモンGO」を開催した。定例のフリーマーケットの開催に合わせ、商店街のポケストップにポケモンを呼び寄せる有料アイテム「ルアーモジュール」を設置。遊びに来た人たちがポケモンを捕まえやすくした。発案したのは商店街の有志。観光企画課の仕掛けではない。最終的に普段の3倍に当たる来客を集めた。

 地元商店街の自主的な動きを古崎氏らは「イングレスやポケモンGOによる集客が街に根付いてきた証拠」と喜ぶ。これからは地域の人たちの取り組みをサポートする方に注力していきたいという。

■変更履歴
公開当初、本文とキャプションの計3個所で「ポケストップ」の表記を間違えておりました。現在は修正済みです。 [2017/1/18]