アズビルのブース 日経エレクトロニクスが撮影。
アズビルのブース 日経エレクトロニクスが撮影。
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今回の装置の検出範囲(上)と従来の検出方法(下) アズビルのスライド。
今回の装置の検出範囲(上)と従来の検出方法(下) アズビルのスライド。
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従来手法の「培養」(手前左中央)と今回の装置の結果表示(奥) 日経エレクトロニクスが撮影。
従来手法の「培養」(手前左中央)と今回の装置の結果表示(奥) 日経エレクトロニクスが撮影。
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 アズビルは水中浮遊菌を瞬時に検出する装置「IMD-W」を「システム コントロール フェア 2015/計測展 2015 TOKYO」(2015年12月2~4日、東京ビッグサイト)で参考出品した。気中浮遊菌検出装置「IMD-A」を水中浮遊菌向けにしたものである。

 これらの装置は、「光誘起蛍光検出方式」と呼ぶ手法で微細物を検出する。有機物にレーザー光線を照射すると発せられる蛍光を検知する手法である。大きさが0.5μ~10μmの有機物を検出できる。この大きさはウイルスより大きく、花粉/アレルゲンより小さく、細菌や真菌芽胞の大きさだという。

 最大の特徴は瞬時に水中浮遊菌を検出できることでブースではその様子をデモンストレーションしていた。「これまでは対象の水を培地で1週間ほど培養して、目視で菌の有無をチェックしていた。時間がかかる上に、人の影響がでるリスクがある」(ブースの説明員)。一方、アズビルの装置を使えば、瞬時に浮遊菌を検出できる。また、培養対象のサンプルだけでなく、基本的に常時チェックが可能になる。

 同説明員によれば、気中浮遊菌向けの「IMD-A」は米国などで30~40台の出荷実績があるという。水中浮遊菌向けのIMD-Wは同じく米国などで注射液など薬剤メーカーから引き合いがあるとした。国内では法規制などでなかなか採用が進まない状況だという。「未だに培養を求める規制が多い。100年前からの手法からそろそろ脱した方がいい時期だ。我々の装置ならば、それに応えられる」(同説明員)。