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大学で対応できない人工知能案件の受け皿に

エクサインテリジェンスの春田氏が講演

2016/10/11 08:00
宮川 泰明=スプール
春田氏
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 エクサインテリジェンス 代表取締役会長(元・DeNA取締役会長)の春田真氏は、「医療ビッグデータ・サミット2016秋」(2016年9月14日、主催:日経デジタルヘルス)に登壇、「ベンチャーが起こす医療イノベーション ~ディープラーニングで診断支援~」と題して講演した。

 エクサインテリジェンスは、春田氏が2016年2月に立ち上げたベンチャー企業。京都大学や大阪大学出身の人工知能分野のエンジニアを中心に、京都市に研究開発拠点を開設。統計学や機械学習、ディープラーニングを駆使し、大量の医用画像データなどから診断を支援するシステムを開発する。

 現状、企業が人工知能を導入しようとすると大学などの研究機関に問い合わせをするケースが多い。しかしまだ研究者が少ないこともあり、大学の研究室には新しいことを始める余裕がないことが多い。大学は最終的に論文にならないと成果にならないため、先進性がないと協力しにくいという事情もある。そのため、人工知能に興味を持った企業が取り組みを始められないという状態があったと春田氏は指摘する。

 そこで、エクサインテリジェンスは最先端の研究よりも、テクノロジーのアプリケーションへの落とし込みを主な業務としている。大学で対応できない案件の受け皿になっているケースもあると春田氏は語った。

 その具体的な取り組みとして、CVイメージングサイエンスとの連携を紹介した。同社はMRIやCTの画像診断を行っており、膨大な量の撮影画像を日々処理している。その中で人工知能による画像診断で処理を高速化したいという課題意識があったという。

 例えば、心臓の冠動脈狭窄を診断するプロセス。MRIやCTの画像から診断するには、まず対象となる画像を選定し、目的の画像から血管の狭窄を探す。これをディープラーニングで学習させることで、画像選定と血管の抽出までを自動化する。専門医でも診断には10分程度かかるところ、自動化するとコンマ数秒でできるようになるという。今後はこれが本当に正しいのか実証していく段階だとした。実現すれば「診断が早くなり、医師への負担も減らせるだろう」(春田氏)。

 春田氏は、こうした技術は他の分野でも使えると考えている。実際に、CVイメージングサイエンスとの連携を発表した後、さまざまな病院や大学から、他の部位のがんの画像診断に使えないかという問い合わせが来ているという。「さまざまなことへのチャレンジを通して結果を出し、それを社会に広げて行きたい。そのためには制度の裏付けも必要なので、それを得るための働きかけも合わせて取り組んで行きたい」(春田氏)として、講演を結んだ。

日経デジタルヘルス Special

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