空を飛ぶドローン
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ワイヤレス給電の最中(LEDが緑色に点灯)
ワイヤレス給電の最中(LEDが緑色に点灯)
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 田淵電機は、太陽光パネル監視などに向けた、ワイヤレス給電対応のドローン(無人飛行機)を「CEATEC JAPAN 2015」のデモで飛ばした。ドローンに搭載した赤外線カメラでメガソーラーなどに設定されている太陽光パネルを撮影し、異常がないか監視する。

 ドローンの離着陸・飛行ルートは、プログラムによって制御されている。デモで見せたドローンの飛行パターンは、(1)離陸、(2)空中で回転、(3)着陸、(4)無線給電、の順番だった。ドローンが充電台に着陸すると、ワイヤレス給電により内蔵バッテリーを充電する。バッテリーを充電している間はドローンのLEDが緑色に点灯する。ワイヤレス給電の採用により、バッテリーの交換作業が不要となり、システムのさらなる自動化を推進できるとする。

 ワイヤレス給電システムでは、送電コイルから受電コイルへ空間を通して非接触で電力を伝送する。今回のドローン向けに採用したシステムでは、コイル間の距離は垂直方向に50mm離し、ドローンの充電を行う。送電コイルの直径は300mm、受電コイルの直径は150mmである。設定周波数は13.56MHzと高い。

 田淵電機は、太陽光発電用の遠隔監視システム「EneTelus-cloud」を展開している。EneTelus-cloudは、収集・蓄積したパネルのデータを分析し、太陽光パネルやシステムに発生した異常をいち早く検出し、その内容をオーナーに連絡するシステム。

 今回のドローンは、赤外線カメラを搭載しているので、落ち葉の付着などによってパネルが発熱するホットスポット現象などを見つけることができる。通常のカメラ画像と赤外線カメラによる温度データ付きの画像で、数値データだけでは気づきいくいパネルの異常も、いち早く検出する。すなわち、従来のモニタリング・システムによる数値データに、赤外線カメラによるパネル温度の監視データを加えることで、システムのさらなる「見える化」を実現する。