AIが行動変容しなくても済むパターンを提案

 (2)のAIを活用した健康経営対策ソリューションは、開発段階のサービスである。現在は、同社社員を対象に残業時間とメンタルヘルスや疾患との関係を研究している。これまでの研究から、「残業時間が定期的に長い人よりも急激に増加した人のほうがメンタルヘルスや疾患のリスクが高い」(同社ブース説明員)ことが分かっているという。

「デジタルヘルスDAYS 2017」のオープンシアターに登壇した都築電気 経営企画室 健康経営統括室 シンギュラリティグループの奥野洋子氏
「デジタルヘルスDAYS 2017」のオープンシアターに登壇した都築電気 経営企画室 健康経営統括室 シンギュラリティグループの奥野洋子氏
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 将来的には、AIを活用して社員の従業時間傾向を分析するなどし、「新たに行動変容をしなくても働き方改革につながるようなパターンを提案したい」と同社 経営企画室 健康経営統括室 シンギュラリティグループの奥野洋子氏は意気込む。バイタルデータを測定する非接触センサーも組み合わせて、社員の状態を可視化することも視野に入れている。

 そもそも、AIを活用した健康経営対策ソリューションの開発はメンタルヘルス対策のために始めたという。「メンタルヘルスは自分自身や周囲が不調を感じたときにはすでに遅い」と奥野氏は指摘する。心拍数などのデータを可視化することで、自分や周囲が早く変化を捉えられるようにしたい考えだ。これまでコストと考えられていた健康経営対策を、「投資として考えてもらえるようになれば、会社での生活が豊かになる」と奥野氏は呼びかけた。