米Local Motors社が米IBM社と共同開発した自動運転バス「Olli」
米Local Motors社が米IBM社と共同開発した自動運転バス「Olli」
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 米シカゴで開催される工作機械見本市「IMTS2016」(シカゴショー、2016年9月12~17日)において、米Local Motors社が自動運転バス「Olli」を運行する。Olliは米IBM社と共同で開発したもので、クラウドベースでデータ分析・推論・学習ができる人工知能システム「Watson」を応用し、市街地を交通状況や乗客のニーズに応じて臨機応変に運行することを目指している。車体の製作の一部には3Dプリンターを用いている。

 Olliは12人乗りの小型の自動運転バスで、IMTS会場のMcCormick Place Cホールに設けた経路を運行する。速度は時速5マイル(8km/h)に抑えるが、本来は時速25マイル(40km/h)で走行可能。GPS、LIDAR(Light Imaging, Detection, And Ranging)など30以上のセンサーを備え、得た情報はWatsonで処理する。

 既にOlliの実証実験は米メリーランド州ナショナルハーバーで開始しており、ネバダ州ラスベガスとマイアミ州でも本年中に実施するという。ダイヤに沿って走行するというより、乗客がスマートフォンのアプリなどでOlliを呼び出す形態で、臨機応変にルートを変更するなどして運行することを想定している。遠隔監視と操作が可能で、乗客にはWatsonが音声で案内する他、乗客の「シカゴ名物のピザのおいしい店はどこか?」といった音声での問い合わせにも回答するという。

 Local Motors社は2014年のIMTSで、会期中に3Dプリンテッド・カー「Strati」の車体をゼロから造形して、完成して走れる状態に組み立てる様子を実演した。今回はOlliの運行の他、Strati以来の3Dプリンテッド・カーの展示と、3D-CAD「Solid Edge」(米Siemens PLM Software社)を車体設計に利用している様子などを展示する。