かねてトイレでの転倒は安全管理の面から問題視されていた。通常、転倒の危険がある患者に対しては、「看護師がトイレに引率して便座に座らせ、用を足し終えたらナースコールを押してほしいと伝えていた」(ケアコムブース説明員)という。しかし、看護師に遠慮してナースコールを鳴らさずに転倒してしまったり認知症を患う患者はナースコールを押すこと自体を忘れてしまったりといった問題が生じていた。
そこでケアコムとTOTOは、可動式のボードとウォシュレットをセンサーでモニタリングすることで離座を検知するシステムを開発した。ケアコムが提供するトイレ離座システムは、可動式のボードの動きを検知するもの。ボードは対象患者が便座に座ったときに手元の高さに設置。一人で便座から離れるにはボードを動かさなくてはいけない。ボードの動きをセンサーで検知するとナースコールが鳴るシステムだ。TOTOが提供するトイレ離座専用ウォシュレットは、痩せているためボードを動かさずに便座から離れられる患者を対象にしたもの。ウォシュレットに設置した加重センサーで患者の体重を検知し、離座するとナースコールが鳴るという仕組み。