2016年6月20日、高性能コンピューター(HPC)関連技術の国際会議「ISC High Performance 2016」の基調講演に米Intel社 Vice President, Data Center GroupのRajeeb Hazra氏が登壇し、今後のHPCの用途としてディープラーニング(深層学習)をはじめとする人工知能技術が重要になると主張した(図1)。その上で、AIの処理にも同社のメニーコアプロセッサー「Xeon Phi」が向くことを強調。同日Intel社は、Xeon Phiの第2世代品(開発コード名はKnights Landing)を利用したシステムの出荷が始まったと発表しており(発表資料、図2)、これらのシステムでAI市場を開拓していく意向を表明した格好だ。

図1 「AIでもIntel製品」をアピール
図1 「AIでもIntel製品」をアピール
米Intel社のVice President, Data Center Group, General Manager, Enterprise and Government GroupのRajeeb Hazra氏は、「AI AND MORE ON IA」と題して講演した。
[画像のクリックで拡大表示]
図2 第2世代Xeon Phiの製品構成
図2 第2世代Xeon Phiの製品構成
(画像:Intel社)
[画像のクリックで拡大表示]

 Hazra氏は、いわゆる「エクサスケールコンピューティング」(理化学研究所のスパコン「京」の約100倍の性能を実現)を求める用途として、科学技術計算などの他に、自然言語処理や画像認識などのAI技術が重要になると主張(図3)。具体例として自動運転車を挙げて、単に場所の移動だけでなく、ブレーキやエンジンが長持ちするように運転したり、運転車の嗜好を学んだりといった様々な機能が組み込まれるようになり、その学習などにExaFLOPS級の処理能力が必要になるとした。

図3 エクサスケールを目指す用途
図3 エクサスケールを目指す用途
Hazra氏は、HPCの開発目標である「エクサスケール」を求める用途として、科学技術計算(一番上のトラックで表現)に加え、自然言語処理や画像認識などを挙げた。
[画像のクリックで拡大表示]