MRTの馬場氏
MRTの馬場氏
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 MRT 代表取締役社長の馬場稔正氏は、セミナー「遠隔診療は医療を変えるのか?」(2016年6月12日、主催:日経デジタルヘルス)に登壇、「あなたは『ポケットドクター』を使いたいですか? ~MRTが遠隔診療サービスで目指すもの~」と題して講演した。

 MRTがシステム会社のオプティムと提携して開始した遠隔診療・健康相談サービス「ポケットドクター」。その名の通り、主にスマートフォンやタブレット端末などスマートデバイスを用いるサービスだ。再診以降の遠隔診療がベースとなる「かかりつけ医診療」、遠隔健康相談がベースとなる「予約相談」「今すぐ相談」の3サービスで構成される。まずはかかりつけ医診療から開始し、他のサービスも順次開始する予定だ。「医師が常にそばにいる安心感を世界中に広めたい。その思いから事業を展開している」(馬場氏)。

 馬場氏が強調したのは“利便性”。例えば、かかりつけ医診療であれば、好きな場所からシステム利用無料で再診ができるとし、今すぐ相談であれば「ポケットからスマホを取り出して、医師に簡単につながる。医師がそばにいる安心感がある」(馬場氏)と語った。

 これを支えるのは、MRTが持つ全国26大学150医局、2万人にも及ぶ医師ネットワークだ。ポケットドクターの賛同医療機関数はスタート時に1340件を数え、「3年後には1万件を目指している。市場規模もどんどん大きくなる」(馬場氏)と話す。医師のクオリティーも追求し、専門医によるピアレビュー(専門家評価・検証)も想定する。

 将来的にはウエアラブルデバイスと連携し、ポケットドクターをIoTの次世代プラットフォームにまで成長させていきたいという。「自分の健康は自分で守り、いつまでも元気でいたいのが理想。ウエアラブルデバイスから得た無自覚な生体情報を医師と共有して、深刻な疾患の前に病状を検知し、予防につなげたいと考えている」(馬場氏)。さらにはIoT経由のビッグデータを活用した人工知能による自動診断、打診・触診が可能なデバイスの開発など、馬場氏の夢は膨らむ。