機能が限られていた従来のモバイル電子カルテ

 宮崎大学医学部附属病院では、2011年5月にAndroidスマートフォンによるモバイル電子カルテ(WATATSUMIモバイル)を稼働させ、各部門の看護師に約220台のスマートフォン(GALAXY S)を配布。主にバイタルなどの観察所見入力や注射・輸液の受領・実施、指示簿の確認などに利用している。2012年には医師全員にも配布し、院内全体で約400台のスマートフォンを利用してきた。

 WATATSUMIモバイルで提供していた機能は、患者確認やオーダー実施入力、画像ビューア、検査歴参照、指示簿参照・確認など。一方で、病名参照や患者プロファイル、プロブレムリスト、熱型表・グラフなどは実装されていなかった。

図1 白色項目はWATATSUMIモバイルでの実装機能、緑色項目は「Man・Go!」で実装した機能(図:宮崎大学医学部附属病院の資料)
図1 白色項目はWATATSUMIモバイルでの実装機能、緑色項目は「Man・Go!」で実装した機能(図:宮崎大学医学部附属病院の資料)
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 機能が限られていたことに加え、モバイル電子カルテは情報の網羅性が低く、文字入力が多いことから、医師への普及が十分でなかったという。「個人差が大きく、使わない医師はまったく使わない状況だった」(荒木氏)。