マイナンバーカードの電子証明書を利用

 医療保険のオンライン資格確認の仕組みはこうだ。マイナンバーカードの電子証明書を医療機関・薬局で読み取り、社会保険診療報酬支払基金・国民健康保険中央会(支払基金・国保中央会)が共同運営する資格確認サービス機関にネットワーク(レセプト請求の専用回線など)を通して渡し、その電子証明書に1対1で対応する機関別符合で資格情報を引き当てる処理を行う。

医療保険のオンライン資格確認の仕組み(高木氏の講演資料より)
医療保険のオンライン資格確認の仕組み(高木氏の講演資料より)
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 高木氏はあらためて、「マイナンバーカードの裏面に記されている12桁のマイナンバーは使わない。電子証明書を利用し、かつマイナンバーカードの中には保険資格情報や医療情報を入れるものではない」「そもそもマイナンバーの情報連携の仕組みが12桁の数字を直接、個人情報のやり取りに使う仕組みでない。したがって、医療機関が保険資格確認や医療情報のやり取りに12桁の数字を使うことは、マイナンバー制度の仕組みでもあり得ないことだ」と説明した。

 一方、保健医療分野の情報連携などに利用する医療等IDの仕組みはこうだ。支払基金・国保中央会の中で機関別符合と1対1となる“キーとなる識別子”を管理。原則変更しないキーとなる識別子から、地域医療連携用IDやデータ収集用IDなど用途別に生成する一時的な電磁符合を使う。

 地区内の同じ地域医療連携ネットワーク内で患者の情報をやり取りする場合は、医療機関ごとの患者IDを連携する現在のID体系を利用するが、地域医療連携ネットワークを越えてネットワーク間で患者の情報連携をする際には地域医療連携用IDを使うことになる。つまり、地域医療連携用IDは、異なるID体系で管理された医療情報などを突合するための識別子として位置付けられている。

医療等IDの生成・活用イメージ(高木氏の講演資料より)
医療等IDの生成・活用イメージ(高木氏の講演資料より)
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