今後の医療分野のIT化における日本医師会(日医)の取り組み指針は――。日本医師会 常務理事の石川広己氏は、第20回日本医療情報学会春季学術大会(2016年6月2~4日)の大会企画「医療・介護における情報連携と個人情報保護」の座長講演で、冒頭の指針を明確にした「日医IT化宣言2016」について語った。

日医IT化宣言2016(日本医師会のプレスリリースから)
日医IT化宣言2016(日本医師会のプレスリリースから)
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 日医IT化宣言2016は同講演の後、2016年6月8日に正式に発表された。次の5項目からなる宣言で、マイナンバー制度のインフラを活用した医療等ID制度の確立、その利用による安全な地域医療連携の推進や保険証資格確認、電子化された診療情報提供書や電子処方箋運用のカギとなる保険医療福祉分野の公開鍵基盤(HPKI)の認証局事業の発展と運用などを柱とする内容だ。

・日本医師会は、安全なネットワークを構築するとともに、個人のプライバシーを守ります。
・日本医師会は、医療の質の向上と安全の確保をITで支えます。
・日本医師会は、国民皆保険をITで支えます。
・日本医師会は、地域医療連携・多職種連携をITで支えます。
・日本医師会は、電子化された医療情報を電子認証技術で守ります。