次は、在宅患者の家での仕組みを

 展示した認証システムの具体的な認証操作としては、まず、利用する電子カルテなどの端末のカードリーダーにHPKIカードをかざすと利用開始端末をサーバーに通知する。続いて利用者が持っているNFC(近距離無線通信の一規格)対応のスマートフォンにHPKIカードをかざすと、外部認証局(日医認証局など)に問い合わせて本人確認(資格確認)を実施。同時にスマートフォンはサーバーに位置情報を通知する。

 この一連の操作によって端末が利用できるようになる。利用者(スマートフォン)の位置情報をサーバーが認識しているため、設定により利用する端末から離れたときには端末ロックがかけられる。そのため電子カルテを開いたまま離席すると(一定距離離れる)、即座にカルテ情報の表示を停止できるので安全性が高まる。

 イードクトルでは、この位置情報による認識、認証を行う機能を利用し、在宅医療など院外での安全な認証に伸展させる考えだ。「HPKIカードによる本人確認と、正確な位置情報の読み取りによって、例えば訪問予定の在宅患者の家に入ったときに、利用するアプリケーション、サービスを起動できるような仕組みを提供していく」(同社担当者)という。