帝人自動車事業推進部部長の田中正氏は「カーシェアでは、前に使った人の利用状況を把握しにくい。内装を手軽に交換できれば、汚れに対して対応しやすい。自家用車のような”愛着”も持たせられる」という。同社がベース車両に選んだのは、ダイハツ工業の2人乗りでスポーツタイプの軽自動車「コペン」である。
通常仕様のコペンでは、13個の樹脂製外装のうち11部品が交換可能になっている。樹脂部品はボルトで車体と締結しており、利用者の好みに応じた車体色に変更できる。
帝人が改良したコンセプト車では、シートの座面や背もたれは面のクッションに、裏表で異なる材質を採用。ともに専用開発した縦型不織布を芯材に用いているが、片面は人が触れて冷たく感じやすい冷感素材を採用。もう一方の面には人肌に近い温度を維持する素材を採用した。