グラスを装着するだけで、リアルタイムにめまい検査を行うことができる。そんなシステムを第一医科(東京都文京区)とYOODS(山口市)がそれぞれ披露した。両者と山口大学医学部の3者が共同開発した、眼球運動検査装置「yVOG-Glass(ワイボーグ・グラス)」と眼球運動検査装置用プログラム「yVOG(ワイボーグ)」を組み合わせたシステムである。

 めまいを診断する際には、自分の意志とは関係なく眼球が左右に揺れ動く「眼球振盪」があるかを判定する必要がある。今回のシステムでは、眼球の動きを定量化することで眼球振盪の有無の検出を支援することができる。

 具体的には、今回のシステムで眼球運動画像と眼振図、頭の傾きの情報を取得できる。これらの情報を基に、医師が眼球振盪の有無を判断する。

眼球運動画像と頭の傾き、眼振図を同時に取得できる
眼球運動画像と頭の傾き、眼振図を同時に取得できる
[画像のクリックで拡大表示]

 yVOG-Glassに内蔵されている高精細CMOSカメラと頭位センサーで、それぞれ眼球運動画像と頭の傾きの情報を取得できる。眼振図に関しては、眼球運動画像をyVOGでリアルタイムに解析することで、眼球の水平方向と垂直方向の動きや回旋性運動のデータを取得できる。

眼球運動検査装置「yVOG-Glass(ワイボーグ・グラス)」を装着した様子
眼球運動検査装置「yVOG-Glass(ワイボーグ・グラス)」を装着した様子
[画像のクリックで拡大表示]

 なお、第一医科はyVOG-Glassの開発で、第7回「Medtecイノベーション大賞」を受賞した。同賞は、医療機器の製造・設計において優れた成果を上げた企業に与えられるもので、前回はMICOTOテクノロジー(旧テムザック技術研究所)が「チャレンジ賞」を受賞している(関連記事)。