連続X線でスペクトラルデータを取得

 IQon Spectral CTは、X線をエネルギーの高低で分光する2層検出器を搭載することで、通常の画像データとスペクトラルデータを同時に取得できるようにした。同CTでは、業界標準の120kVpの連続X線を使用する。連続X線を検出器で分光し、エネルギーの高低に応じてX線信号を分別収集する仕組みだ。

ミカエル・ストリンドランド氏
ミカエル・ストリンドランド氏
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 2層検出器の上層にはイットリウム(Y)、下層にはガドリニウム系材料を使っている。連続X線はさまざまなエネルギー成分を持ち、2層検出器の上層はエネルギーの低いX線を、下層はエネルギーの高いX線を検出する。それぞれの層で検出したX線からスペクトラルデータを得る仕組みはDual Energy法と同様である。また、通常の画像データを得る際には、各層で検出されたX線信号双方を使用する。撮影した時点で分光検出されるため、撮影後時間が経ってからでもスペクトラルデータを利用可能だ。

 今回の技術についてロイヤル フィリップス CT事業 ゼネラルマネジャーのミカエル・ストリンドランド氏は「臨床の現場で磨き上げられてこそ、真の技術となる」と話す。この装置の臨床上のメリットを、医師の協力のもと臨床現場で明らかにしていきたい考えを示した。