「これは知性を競うレースだ。主役はレーサーではなく、エンジニアである」——。

 自動運転車を使ったレース「ROBORACE」が2016年秋に始まる。車両に人は乗り込まず、人工知能(AI)を使ったソフトウエアがクルマを操る。

 英国の投資会社Kinetik社の創設者でROBORACEのCEO(最高経営責任者)を務めるDenis Sverdlov氏は、米NVIDIA社のGPU技術関連の開発者会議「GPU Technology Conference(GTC) 2016」で講演し、冒頭のように語った(図1)。

図1 ROBORACEのCEO(最高経営責任者)を務めるDenis Sverdlov氏
図1 ROBORACEのCEO(最高経営責任者)を務めるDenis Sverdlov氏
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 ROBORACEの計画が明らかになったのは2015年11月。電気自動車(EV)のフォーミュラー・カーのレース「Formula E」の一部として、2016年秋に開幕する「2016-2017シーズン」から開催する。Kinetik社が中心になって開発した自動運転のレース車両を、10チームが2台ずつ合計20台を走らせる。Formula Eと共に、世界を転戦する計画だ。