McNeill氏
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左上から時計回りに、「Gear VR」「PlayStation(PS) VR」「Vive」「Oculus Rift」
左上から時計回りに、「Gear VR」「PlayStation(PS) VR」「Vive」「Oculus Rift」
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 複数のVR(仮想現実感)ゲームを開発したE McNeill氏は「GDC(Game Developers Conference) 2016」に登壇し、「Gear VR」「Oculus Rift」「PlayStation(PS) VR」「Vive」といった主要なVR用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の違いについて、ゲーム開発者の立場から整理した。

 McNeill氏は米国サンディエゴで活動中の個人ゲーム開発者で、これまでに複数のVRゲームを開発した経験を持つ。はじめに同氏は4機種の仕様を整理した。Gear VRは韓国Samsung Electronics社と米Oculus VR社が共同開発したHMDで、Samsung社製のスマートフォンを装着して使用する。本体側面のタッチパッドで入力し、Bluetooth接続のコントローラーも使用できる。ポジショントラッキング機能は存在しないが、パソコンなどと接続することがなく、コードレスで使用できる。2015年11月に一般発売され、価格は99米ドルである。

 Oculus Riftは米Oculus VR社が開発したHMDで、パソコンに接続して使用し、頭部のポジショントラッキング機能を備える。入力には米Microsoft社の据置型ゲーム機「Xbox One」向けのコントローラーを使用し、別売りのポジショントラッキング可能なコントローラー「Oculus Touch」も使用可能だ。価格は599米ドルで、2016年3月28日に発売される。Oculus Touchは同年第2四半期の発売になる。

 PS VRはソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が開発したPS4向けのHMDで、別売りのPS Cameraで頭部のトラッキングを行う。入力にはPS4用コントローラー「DUALSHOCK(デュアルショック) 4」に加えて、別売りの「PS MOVE モーションコントローラ」で、手の動きや位置を検出できる。価格は399米ドルで2016年10月に発売予定だ。

 Viveは台湾HTC社と米Valve社が共同開発し、パソコンに接続して使用するHMDで、手の動きや位置を検出できる専用コントローラーが標準で付属する。2基のセンサーユニットを設置してHMD装着者の位置を計測し、室内を歩き回れるなど、位置を追跡できる範囲は広い。価格は799米ドルで2016年4月に発売予定である。

 以上、4機種の特性から、Gear VRは比較的単純な操作の安価なコンテンツ向け、Oculus RiftとPS VRはハイエンドだが頭部の位置計測だけで済むコンテンツ向け、Viveは室内を歩き回り、両手を複雑に使うコンテンツに向けだとした。