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「化粧」で高齢者の心のフレイル対策

資生堂が約40年継続

2017/03/16 11:15
赤坂 麻実=日経デジタルヘルス

 高齢者にもう一度、自ら化粧をしてもらう――。資生堂ジャパンCSR部マネージャーの池山和幸氏は、「ヘルスケア産業の最前線2017」(2017年3月3日、主催:経済産業省)の第2部として開催された「地域を支えるヘルスケアサービス事業者の事例紹介」で、健康寿命延伸に向けた同社の事業を紹介した。

 資生堂は、1975年からボランティア活動として「身だしなみセミナー」を特別養護老人ホームで開催してきた。現在では事業化しており、科学的根拠に基づく「化粧療法プログラム」として提供。契約施設数は約400、年間の開催件数はのべ2500件(2016年実績)に上る。

講演する資生堂ジャパンの池山和幸氏
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 同社は、身だしなみセミナーを、健康寿命延伸に向けた社会性や心のフレイル対策として行っている。フレイルとは虚弱を意味し、健康と要介護の中間段階にあって、適切な対策を取れば健康への復帰が可能な状態を指す。資生堂の取り組みは、2014年度に経済産業省の健康寿命延伸産業創出推進事業に採択された。

 身だしなみセミナーは、スタッフが化粧をほどこすのではなく、高齢者が自分で化粧などの美容行為をすることで、心身機能の維持・向上を目指すもの。若い頃に慣れ親しんだ行為であるため、自発性や自立性が引き出しやすいことと、効果がすぐに目に見えるので意欲が続きやすいことが特徴という。対象を女性に限定せず、加齢臭対策など男性にも対応するプログラムを用意する。

 月2回のグループケアと、参加者それぞれが毎日続けるセルフケアの2つを組み合わせて実施している。池山氏は「グループケアで他人への意識を、セルフケアで自分への関心を高めてもらう。このサイクルを続けていけば、自信や自分らしさが維持でき、社会性や社交性につながる」と効果を説明する。

 実際に、参加者の主観的健康感や抑うつ性尺度の向上、外出頻度の維持、介護費用の削減といった成果が得られたという。「友達を誘って外出にするようになったり、教室で知り合った人と会話をしたり、鏡を見る習慣のなかった人が毎日見るようになったり、行動にも目に見えて変化が表れた」(池山氏)とする。

日経デジタルヘルス Special

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