「健康食を学ぶなら日本」へ

 そこで、竹屋旅館は、調理の技術に加えて、病気や栄養の知識も持った料理人「メディ・シェフ」を育成・認定する仕組みを構築した。プロの調理師向けの「Master of Medi Chef」「Medi Chef1級」と、一般家庭での料理を対象にした「Medi Chef2級」の3コースを用意。患者と家族が、外食や観光、家庭での家族そろっての食事が楽しめるような環境づくりに貢献することを目指す。また、「食の最先端はニューヨークやパリかもしれないが、今後は健康食を学ぶなら日本との認識を根付かせていきたい」と海外からも人を呼び込む流れを生みたい考えだ。

 竹内氏の講演を受け、経済産業省 商務情報政策局 ヘルスケア産業課長の江崎禎英氏は次のように講評を述べた。「病気にかかった人が受けられるサービスは多数ある。軽い健康不安を抱える人を対象にしたサービスが充実していくのは良い方向。また、病気にかかったら何かを我慢するのが当然という風潮の中で、病気になってもちゃんと幸せになれるという前向きなメッセージはすばらしい」。