半導体は、集中生産による効率向上の効果が得やすい製品である。1つの工場で、いかに数多くの製品を作るかが、技術開発競争の論点でもある。ところが、熊本地震や東日本大震災の教訓を生かして、地震の発生にも強い生産体制を構築しようとすると、生産拠点の分散化が不可避になる。悩ましい状態だ。国際競争力の維持、向上を目指す日本の半導体メーカーは、このようなジレンマにどのように挑んだらよいのか。IHSテクノロジーの大山 聡氏が考察した。(記事構成は伊藤元昭)
IHSテクノロジー 主席アナリスト
1985年東京エレクトロン入社。1996年から2004年までABNアムロ証券、リーマンブラザーズ証券などで産業エレクトロニクス分野のアナリストを務めた後、富士通に転職、半導体部門の経営戦略に従事。2010年より現職で、二次電池をはじめとしたエレクトロニクス分野全般の調査・分析を担当。