第13次5カ年計画(2016〜2020年)の下、中国企業のM&Aやヘッドハントなどによる、欧米や日本、韓国、台湾などの企業からの知財や人材の収集が加速している。テクノ大喜利では、こうした中国の動きが世界の電子業界にどのような影響をもたらすのか、議論している。今回の回答者は、服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏である。(記事構成は伊藤元昭)

服部毅(はっとり たけし)
服部コンサルティング インターナショナル 代表
 大手電機メーカーに30年余り勤務し、半導体部門で基礎研究、デバイス・プロセス開発から量産ラインの歩留まり向上まで広範な業務を担当。この間、本社経営/研究企画業務、米国スタンフォード大学 留学、同 集積回路研究所客員研究員なども経験。2007年に技術・経営コンサルタント、国際技術ジャーナリストとして独立し現在に至る。The Electrochemical Society (ECS)フェロー・理事。マイナビニュースや日経テクノロジーオンラインなどに、グローバルな見地から半導体・ハイテク産業動向を随時執筆中。近著に「メガトレンド半導体2014-2023(日経BP社)」「表面・界面技術ハンドブック(NTS社)」がある(共に共著)。

【質問1】中国の半導体業界の力が増すことで、世界の電子業界の製品開発、ものづくりにどのような変化が起きると思われますか。
【回答】半導体開発から最終製品製造まですべてが中国国内で完結。かつての電子立国日本のようなポジティブ・スパイラル状態になる

【質問2】中国の半導体業界の力が増すことが、既存のどのような半導体メーカーに脅威や商機が生まれると思われますか。
【回答】メモリーを中心としたコモディティー半導体メーカーに脅威。中国での工場展開を始めようとする半導体メーカーに商機

【質問3】中国の半導体業界の力が増すことで、半導体ユーザーや装置・材料サプライヤーにはどのような影響があると思われますか。
【回答】半導体装置・材料サプライヤーにとって巨大市場が出現