半導体を微細化してもMooreの法則の維持には寄与しにくくなったと言われるようになって久しい。だが、半導体技術を進化させていくため、微細加工技術の開発は粛々と続いている。そして2017年には、いよいよ10nmテクノロジーを投入した応用製品が登場する見込みである。ここ数世代の半導体チップは、「チップ面積」「消費電力」「動作周波数」といった仕様を、同時に向上させることが難しかった。その結果、パソコン用のプロセッサーならば、モバイル向けやデスクトップ向けなどと用途ごとに細分化し、何らかの仕様項目の改善をあきらめざるを得なかった。ところが10nm世代では、久々に無欠の進化が期待できるのではとされている。
大喜利の回答者が2017年の注目点を挙げる今回のテクノ大喜利、3人目の回答者はテカナリエの清水洋治氏である。同氏は、2017年に登場予定の10nm品の見どころと開発状況、さらには応用製品の価値向上に寄与しそうな半導体関連技術について論じる。
(記事構成は、伊藤元昭=エンライト)
テカナリエ 技術コンサルタント