高速なNVMe


 SSDでは、データ転送速度の速さが求められます。SSDインターフェースの中で高速なのが、NVMeです。物理層に「PCI Express(PCIe) Gen3」を利用しているので、最大データ転送速度は32Gビット/秒、実効的なデータ転送速度も約32Gビット/秒です注2)。加えて、SATAやSASに比べてデータ処理が速くて遅延が短い、既存のコマンドキューイング(複数のコマンドを一旦貯めこんで、さらに並べ替えて最適な順序で実行する機能)よりも大幅に拡張している、などの理由から、SSDのインターフェースの本命として目されています。

注2)PCI Express Gen3では、128b130b符号化を施している。このため実効的なデータ転送速度と、規格上の最大データ伝送速度に大きな差はない。

 一方、SASの最大データ転送速度は現在、「SAS 3.0」で12Gビット/秒、実効速度で9.6Gビット/秒に留まります注3)。SATAの最大データ転送速度は、「SATA Revision 3.0」で6Gビット/秒、実効速度で4.8Gビット/秒です。SASはSATAの2倍の速度ですが、NVMeほどではありません。

注3)SAS 3.0やSATA Revision 3.0では8b10b符号化を施すので、実効的なデータ転送速度は、規格上の最大データ伝送速度の80%になる。