女子の29歳は男子の34歳

 人生は計画通りにいかない。

 それは起業をしていると嫌ってほどよくわかります。予想外の連続、描いた事業計画は数カ月で使い物にならなくなる。

 それでも、女子は人生を逆算すべきです。特に起業を考えている女子は、逆算をしなければ起業後の忙しさでなし崩し的に出産・育児などは厳しくなります。計画があてにならないこそ、女子はバッファをできる限り多く取るべきなのです。急いでください!起業は早ければ早いほど、ローリスクです!

 私は27歳で起業しました。VR(仮想現実感)用ヘッドマウントディスプレー(HMD)「Oculus Rift」の盛り上がり、のちにFOVEを一緒に立ち上げた共同創業者がたまたま無職期間、試作機の完成、投資家との出会い、いくつもタイミングが重なって「今しかないな」と自然に思える起業でした。あとはやはり、出産の可能性を残したかったからです。

 私は前から世界で通用するプロダクトを作りたいと思っていて、海外移住を20歳代前半から真剣に検討していました。30歳までに将来のパートナーを探す国(定住国)を決める、これは出産年齢から逆算すると動かせないマイルストーンでした。(海外移住を考えない国内起業であれば、もう数年余裕があるでしょう)

 リスクをとって、何か大きいチャレンジに数年を投資するなら、家族を考えずに自分だけで人生をコントロールできる最後のタイミングだと、27歳の時に強く思ったのを覚えています。

 私が男子だったら、たぶん家庭のことはあまりキャリアプランに含めていなかったと思います。目の前にやりたい事業があり、心ゆくまで追い求める、失敗したら35歳までに再就職して家庭を持とう、40歳前には子どもがいたらいいな…という感じ。

 女子が同じことをやると、出産も再就職もはるかに難しくなります。個人的な感覚として、女子の29歳は男子の34~39歳に相当すると感じます。(もちろん、転職やパートナー探しは個人の能力差もありますし、一概には言えません)