電子情報技術産業協会(JEITA)電子部品部会の調査統計委員会では、電子部品企業のグローバルな事業展開に対応できるよう、タイムリーな市場動向把握と関連データベースの構築・活用を目指した活動を進めています。本稿では、我々が主体となって取り組む調査の中から、電子機器に関する「主要電子機器の世界生産状況」と電子部品に関する「電子部品グローバル出荷統計」について最新の調査統計データを紹介します。

スマホは伸び鈍化も依然として市場牽引、主要電子機器の世界生産状況

 調査統計委員会では、毎年、主要電子機器の世界地域別の生産台数を委員会参加各社のマーケティング情報を基に調査し、その結果を報告書として発行しています。ここでは、至近の調査結果をまとめた報告書「主要電子機器の世界生産状況2014年~2016年」注1)(詳細はこちら)から、主要電子機器の世界生産台数推移を紹介します。

注1)調査対象品目は次の通り。
カラーテレビ/フラットパネルテレビ、カーナビゲーションシステム、デジタルカメラ/レンズ交換式デジタルカメラ、携帯電話/スマートフォン、パーソナルコンピュータ/ノートブックパソコン、タブレット端末、HDD

 今回の調査結果を見ると、調査対象品目の多くが出荷台数の伸び鈍化、あるいは出荷台数減少という状況にあることが分かりました。これは、足元における中国や新興国の成長率鈍化が、調査対象品目全般の推移に影響を与えたものと考えています。

 具体的に見ていきましょう。これまで電子機器市場を牽引してきたスマートフォンは引き続き伸長するものの、これまで示していた成長率には及ばないという結果となりました。また、デジタルカメラやタブレット端末はスマートフォンとの競合、パソコンは旧OS更新需要の反動により、いずれも対前年比で減少する見通しとなっています。

世界生産台数の推移(2014年=100)
世界生産台数の推移(2014年=100)