ドイツVolkswagen社をはじめとした排ガス・燃費性能の不正問題の影響で、実態に合わせた燃費・排ガス性能を測定・評価する動きが出ている。日本では実走行して排ガス性能を確認するRDE(Real Driving Emissions、実路走行排ガス)試験の導入が決まっている。燃費性能についても、今後はより正確性が求められていくことになる。

WLTCモードについて、またマツダ車のカタログ燃費と実用燃費のかい離の少なさについて解説する、マツダでパワートレイン開発本部パワートレイン企画部の三藤千明氏。
WLTCモードについて、またマツダ車のカタログ燃費と実用燃費のかい離の少なさについて解説する、マツダでパワートレイン開発本部パワートレイン企画部の三藤千明氏。

 国連(自動車基準調和フォーラム)では2014年3月に、日本が議論を主導するWLTP(乗用車などの国際調和排出ガス・燃費試験法)が世界統一技術規則(GTR)として採択済み。国内では2018年10月から、新型車のカタログ燃費がJC08から、より実際の走行状況に近いWLTC(世界統一試験サイクル)へと移行することが決まっている。

 マツダは2017年6月末に発売した「CX-3」のガソリンエンジン搭載車について、JC08モードだけでなく、WLTCモードでのカタログ燃費も併記した。

 WLTCとは、Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycleの略で、世界統一試験サイクルと訳される乗用車と小型商用車のモード燃費規格である。従来の欧州モード燃費であるNEDC(New European Driving Cycle)と比べ、加減速の頻度が多くなり全体として速度域も高くなっているのが特徴だ。