神戸製鋼所は2017年6月中旬、神戸総合技術研究所(兵庫県神戸市)にて、神戸製鋼グループの事業内容と研究開発の取り組みに加え、将来に向けた研究開発の方向性を解説する見学会を開催した。
神戸製鋼グループは、研究開発をてがける技術開発本部と、鉄鋼、溶接、アルミ・銅、機械などの事業部門で構成される。同社は2017年4月に、自動車の軽量化と安全性向上に向けた研究開発体制を強化するため、本社の技術開発本部内に「鉄鋼」「アルミ」「溶接」の各分野の組織を横断する形で技術を提案する“自動車ソリューションセンター”を新設した。
続く5月には、神戸総合研究所内に同社の技術が与えられた製品を展示した技術ショールーム「KoCoLab」(KOBELCO Co-creation Laboratory)を開設した。このスペースでは、メーカーのスタッフとのコミュニケーションを充実させるとともに「(技術的)考察とセットで議論の材料として物を見ながら語る場」(同社取締役専務執行役員・技術開発本部長の三宅俊也氏)を用意したとしている。
軽量化技術に関しては、「100kgの軽量化は2km/L(約14g・CO2/km)の燃費向上に値する」とする同社技術開発本部自動車ソリューションセンターのセンター長の加藤 淳博士の言葉のように、パワートレーン開発と合わせて、2020~2025年にかけて想定される自動車の炭素排出量規制強化の動きを見据えて研究開発を推進していくという。
でも、接合技術に関して接合研究室部門は溶接にこだわることなく、接着に関しても研究開発を進めており、「Tier1部品メーカーとの共同開発のうえで議論を進めている」(加藤氏)とのこと。