機器開発を進める上で欠かせない熱設計。本稿では、熱設計の専門家であるサーマルデザインラボ 代表取締役の国峯尚樹氏が、熱の性質を理解するための基本知識をクイズ形式で紹介している。第5回の今回は、密閉偏平機器内に実装するプリント基板の位置がプリント基板の温度に与える影響を考える(第1回第2回第3回第4回)。(記事構成は、日経BP社 電子・機械局 教育事業部)

 大きさ200mm×200mm×20mmの筐体に、180mm×180mm×1mmのプリント基板(発熱5W)を実装します。プリント基板の温度が最も高くなるのは、次の(1)~(3)のどの位置に置いたときでしょうか(下図参照)。なお、熱放射は無視してよいこととします。

(1) プリント基板は上部(筐体上面から1mmの隙間)に置くと、最も温度が高い

(2)プリント基板は中間部(筐体上面から7.5mmの隙間)に置くと、最も温度が高い

(3)プリント基板は下部(筐体上面から15mmの隙間)に置くと、最も温度が高い