IoTのコンサルタントも検定の対象に

――IoT検定制度の体系として、レベル1「プロフェッショナル・コーディネータ」、レベル2「プロフェッショナル・エンジニア」、レベル3「プロフェッショナル・アーキテクト」が用意されています。このうち、先行して実施するレベル1はIoT全体に関わる基本的な知識を問う形になっています注2)。ネットワークやデバイス、データ分析、セキュリティーといった要素技術だけでなく、戦略とマネジメント、標準化、法律なども出題範囲に入っており、広範囲な分野での知識を問う形になっています。基本的といっても、IoTに携わろうとすると多様な知識が必要なのですね。レベル2とレベル3はどのような人物像を想定していますか。

注2)レベル1のスキルレベルとして、IoT検定制度委員会は次の項目を掲げている。
―IoTに関する基本的知識を有しており、専門家の指導の下でIoTプロジェクトに関わる業務を遂行することができる
―IoTに関する提案を作成でき、顧客企業や社内にIoTプロジェクトの実施を推進することができる

伊本氏 レベル2は名前の通り、対象はエンジニアです。レベル3はアーキテクト、つまり全体の設計者、もしくはコンサルタントの資格となります。レベル3の試験は内容をこれから詰めていく段階ですが、1種類ではなく、専門的な分野に分けることを考えています。

中島氏 アーキテクトになってくると、顧客と一緒になって事業を作っていけるだけの技量を備えたレベルだと思います。例えば、IoTと呼べるようなネットワークをベースにしたビッグデータ処理もできて、場合によってはブロックチェーンみたいなものを使うことができるなど、豊富な知識と技量を備えた上でサービスを作り上げていけるといった具合です。まさにコンサルティングですね。しかも構造設計から考えていけるコンサルティングです。

――レベル2とレベル3の実施予定時期を教えてください。

近森氏 レベル2に関しては、速やかにワーキンググループを立ち上げ、今年の夏にはどのような試験内容になるのか発表する予定です。今年の秋には試験問題を開発し、年内リリースを想定しています。レベル3についてはかなり専門分野に踏み込みますので、開発には少し時間を要すると思います。