マイクロフォン

 今、人工知能やディープ・ラーニングの研究がブームとなっています。それをハードウエア側から支えるのが、FPGA(Field Programmable Gate Array)の高度化です。その結果、さまざまな機器で音声認識が利用できるようになることが考えられます。自動翻訳によって言語の壁が低くなるのも遠い未来ではないかもしれません。

 ここで、音声の取り込みに使われるのがMEMSマイクロフォンです。発声者とマイクロフォンが離れる可能性がある状況での音声認識には、ハンドセットを持って行う電話の会話と比べて数倍以上のSN比の向上がマイクロフォンに求められます。もちろん、この性能向上はコストアップをさせることなく、すなわちチップ・サイズを増大せずに実現しなければなりません。そのために今、新しい技術が求められています。

 MEMSマイクロフォンはあらゆる携帯電話に使われており、スマートフォンには複数個のMEMSマイクロフォンが搭載されています。現在の生産量は年間30億個程度。今後は個数についても性能についても、さらに成長を続けることは間違いありません。オムロンとソニーセミコンダクタによってマイクロフォンのダイの1/3程度が日本で生産されています。それを踏まえると、マイクロフォンは日本にとって大変重要なMEMSであると言えます。