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HOME新産業航空・宇宙齊田興哉の宇宙ビジネス通信 > 米国Space X社が4425機の通信衛星打ち上げ計画

齊田興哉の宇宙ビジネス通信

米国Space X社が4425機の通信衛星打ち上げ計画

2016年11月1日~2016年11月30日

  • 齊田 興哉=日本総合研究所 都市・地域経営戦略グループ マネージャー
  • 2016/12/02 16:49
  • 1/5ページ

2016年11月の宇宙ビジネス通信をお届けします。今月は、宇宙ビジネスの新時代”New Space”に関するニュースが多く報じられました。

1位「Space X社 4425機の通信衛星打ち上げ計画」

 2016年11月15日、米国Space X社が、高速インターネット環境を全世界に提供するため、4425機という膨大な数の通信衛星を打ち上げる計画を米国連邦通信委員会(FCC)に申請しました(FCCの公開資料)。これらの通信衛星によって、1ユーザー当たり1Gビット/秒程度の伝送速度が確保されるといいます。

 この構想は、大量の通信衛星を地球低軌道に打ち上げ、1Gビット/秒という高速通信と可能とするもので、その整備には、約100億ドル(約1.2兆円)の費用がかかるとのことです。既に、米国Google社が10億ドル(約1200億円)の出資をしています。

 Space X社の通信衛星は、膨大な数の衛星を打ち上げるため、比較的低コストな超小型衛星と言われていました。しかし、1Gビット/秒の高速通信を実現するためには、それに対応する性能を有する通信システムが必要となるため、大型化するとのことです。結果として、通信衛星の重量としては、約400kgになるといわれています。このサイズは、中型衛星に分類されます。また衛星の軌道高度は、比較的高い1150~1325kmに打ち上げるようです。

 Space X社が米国連邦通信委員会FCCに提出した資料によると、第1段階では、800機打ち上げ、北米を中心に衛星インターネット接続サービスを開始するとのことです。その後順次衛星を打ち上げていき、約5年で全4425個の衛星を投入し、全世界をカバーする計画のようです。

 専門家の間では、この構想の実現性に対して疑問を投げかける人も多いようです。ただ、米国連邦通信委員会FCCへ申請していることから、Space X社は実現性は高いとみているものと思われます。

 この構想が計画通り進めば、その頃、世界の地上では5Gの通信インフラが出来上がっています。5Gは、通信速度10Gビット/秒以上、低遅延、多接続化、大容量化などの最新技術が盛り込まれています。これとどのように住み分けるのか、まだ見えませんが、衛星通信であれば、地上の通信システムのように少しずつ通信エリアを整える必要はなく、海でも山でも、砂漠でも、地球全体が通信エリアになるため、一気に普及する可能性もあります。例えば、グローバルビジネスを展開している自動車メーカーや物流業者など、潜在顧客は容易に想像できます。

 なお、Space X社CEOのEulon Musk氏は、この衛星インターネット網を安価に全世界へ提供することで、その収入を火星への移住計画の資金にしたいとしています。このSpace X社の構想は、非常にハイリスク、ハイコストな計画です。競合がほとんど存在しないため、その市場がブルーオーシャンとなりえます。この市場で成功すれば、他社に対する参入障壁を構築できるため、彼らにとって、チャレンジする価値があると見ているかもしれません。

米国Space X社のFCCへの申請
(出所:米連邦通信委員会(FCC)のサイト)
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