──それは興味深い話です。もう少し詳しく教えてください。

皆川氏:ある部品が市場で不具合を起こしたとします。この問題に対してトヨタ自動車に報告する場合は、「不具合情報3点セット」がないと受け付けてくれません。

 不具合情報3点セットとは、まず[1]製造月別/発生月別の不具合件数のグラフです。これは、その不具合がいつ発生し、該当する部品をいつ造ったのかを知るためです。続いて、[2]経過月別不具合件数グラフ。これは品質改善などの効果が表れているか否かを確認するためです。そして、[3]ワイブル解析(不具合累積発生率のグラフ)です。これは、未来における不具合の発生率を予測するためです。

 QC七つ道具と新QC七つ道具は決して難しい道具ではありません。文系出身の社員でも十分使いこなせます。ただし、使いこなすにはそれなりのポイントを押さえる必要があります。それを技術者塾の講座で演習を交えながら分かりやすく指導します。

──品質完璧マスターシリーズの講座群(個別の受講が可能です)──

(1)4月6日(水)
「製品の価値を守る 『品質つくりこみ』と『自工程完結』の基礎――設計、生産、品質保証の体質改善」
(2)4月25日(月)
「品質データ整理の基本『QC七つ道具と新QC七つ道具』――演習による活用で徹底理解」
(3)5月16日(月)
「不具合の根本的対策に役立つ『なぜなぜ分析』――真因追究と対策の過程を、実際の演習で理解」
(4)5月27日(金)
「品質トラブルを未然に防ぐ切り札、トヨタも推奨するDRBFM――自動車部品を使って、DRBFMを演習しながら理解する」
(5)6月15日(水)
「トヨタの課題解決の基本『QCストーリー』の実践――業務を想定した演習で“使える力”を身に付ける」
(6)7月20日(水)
「開発目標値の決定に不可欠な『品質機能展開(QFD)』入門――新製品の企画を想定したQFDを演習しながら理解する」
(7)8月5日(金)
「データを見える化する『SQC』入門――具体的なデータを活用して演習しながら理解する」
(8)9月28日(水)
「データの意味が分かり、次を予測できる『多変量解析』入門――解析ソフトを用いて実践演習しながら理解する」
(9)10月19日(水)
「因子の最適値の決め手『実験計画法』入門――解析ソフトを用いて実践演習しながら理解する」
(10)11月7日(月)
「品質トラブルを未然に防ぐ切り札、トヨタも推奨するDRBFM――自動車部品を使って、DRBFMを演習しながら理解する」(注:2回目の開催。5月27日と同一講座)
(11)11月30日(水)
「製品の寿命を設計する『信頼性工学』入門――具体的なデータを活用して演習しながら理解する」
(12)12月14日(水)
「トヨタの不良品流出防止法『QAネットワーク』――製造工程を想定し、演習しながら理解する」