──設計品質基礎講座を学ぶ上でのキーポイントを教えてください。

戸水氏:図2は、製品開発エンジニアリングの「標準ツール」を表したものです。世の中で標準とされている品質管理の分析手法や評価のツールを、図1にある「製品開発のエンジニアリング・プロセス」の中の「学ぶこと」に対応させた結果を示しています。

 問題は、多忙な日々を送る設計者にとって、どの標準ツールから学ぶべきか、またどのタイミングでどの標準ツールを使えばよいのか、いまひとつ明確ではなかったことです。そこで、解決策として図2に示した標準ツールの中から10種類を選び、製品開発エンジニアリング・プロセスに配備することにしました。

図2◎製品開発エンジニアリングの標準ツール
図2◎製品開発エンジニアリングの標準ツール
[画像のクリックで拡大表示]

 図3に、設計品質基礎講座用に再構成した標準ツールの利用手順を示します。設計者の負担が少なくなるように必要最小限のツールを選択しました。ここで、構想設計における成果物は、図3に示した「製品仕様書に含まれるドキュメント」です。具体的には、①企画図面、②商品企画書、③設計構想図、④品質構想図、⑤部品仕様書、⑥製造指示書、⑦製品安全確認書、⑧環境確認書、⑨コンプライアンス、⑩信頼性評価計画、などを指します。

 設計品質基礎講座では、講義と必要最小限の標準ツールを使った実習を組み合わせることで、理解を深めることができます。つまり、製品仕様書を作り上げるために必要な製品開発エンジニアリングの講義だけで終わるのでなく、標準ツールを使った実習を通して、理論を実践的に理解できるのです。

 なお、実習にはノートパソコンを使いますから、受講の際にはご持参下さい。私が提供するソフトウエアをご持参のノートパソコンにインストールしていただきます。

図3◎設計品質基礎講座に配備した標準ツール
図3◎設計品質基礎講座に配備した標準ツール
[画像のクリックで拡大表示]