塩塚 三つほどあるんですけど、一つは、“男の娘”。

三反田 え? 何だって?

塩塚 「おとこのむすめ」と書いて、オトコノコと呼ぶんですが、要は、女装した男子。ニューハーフでもゲイでもない。でも、これが女性にも受けるし、ゲイにも受ける。その子たちがばくだん焼にソースでハートを描いたりして「いらっしゃい」と。秋葉原でそういうのをやってみようと思ってます。

三反田 でも、そういうのって、東京だから成立するんでしょう?

塩塚 東京でやると確かに地方からいっぱい来ますけど、逆に地方でやっても成立すると思いますよ。不思議なもので、買うのに苦労した方がありがたみが増すんですよ。分かります? 川越の店舗で、川越を舞台にした『神様はじめました』というアニメとコラボしたら、弱虫ペダルほどではないにしても、全国からお客さんが集まりました。

三反田 すごいですね。そういう若い子たちの年齢が上がって介護が必要になったら、そういう部屋を作るってどうですか。“弱虫ペダルの部屋”とか。天井をそのキャラクターのポスターで埋め尽くす(笑)。

 ありでしょうね(笑)。

三反田 では、いつも聞いてるんですが、最後の質問として、これからの若い人たちに向けてメッセージをお願いします。

三反田 久弥(さんたんだ・ひさや)。パラシュート 代表取締役社長。2000年に、一生付き合える仲間作りをテーマに若手経営者の会である「若手商店街」を設立。現在、北海道、関東、東海、関西、九州、沖縄の6支部があり、会員数は約400社を数える。現在、全国代表理事。他に日本介護協会常務理事やグローバルキャリア協会理事などを歴任する。(写真:加藤 康)
三反田 久弥(さんたんだ・ひさや)。パラシュート 代表取締役社長。2000年に、一生付き合える仲間作りをテーマに若手経営者の会である「若手商店街」を設立。現在、北海道、関東、東海、関西、九州、沖縄の6支部があり、会員数は約400社を数える。現在、全国代表理事。他に日本介護協会常務理事やグローバルキャリア協会理事などを歴任する。(写真:加藤 康)

 メッセージねぇ。僕は「思考は現実化する」と思っていて。「自分の言葉を相手に伝えるよりも、まず自分の耳に聞かせましょう」と言いたい。話し続けることで自分自身が洗脳されていく。今、不言実行というか、夢を言葉に出すと“口だけ人間”と見られてしまって、言わないのが当たり前の文化になっていますけど、まずは言葉に出さないとスタートしないでしょう。

 今、「何をしたいのかを決めていない、分からない」という若者が多いと思うんですよ。新卒の面接のときに聞くと、夢がないのに就職するんです。だから、「じゃあ今、夢を決めて」というと「えっ!?」と驚く。でも例えば、「僕がピストルを構えて、3秒以内に夢を決めないと君の母親を撃つ」。こう言ったら、夢なんて3秒で決まる。つまり本気で考えれば決まるんですよ。本気で何をしたいのかを決めないと、その先は絶対にない。

 経営者は行き当たりばったりやっているように見えるけれど、実はちゃんとストーリーになっているわけです。若い子たちもストーリーを作って、自分の人生を歩んでほしい。そのためには、周りをワクワクさせないといけないし、他人をワクワクさせるには、まず自分が情熱をもってワクワクしていないといけない。そういうアウトプットをしてほしいという話を社員にはしています。

塩塚 僕は単純に、若いうちに海外へ出た方がいいと。それだけですね。

三反田 説得力、ありまくりですね(笑)。

塩塚 あくまで日本人としてベースだけは磨いてから海外に出てほしいですが。

三反田 左さんも早くから海外へ行ってましたよね。そしてカツアゲされて(笑)。

 そうそう。親父に片道切符を渡されて、ニューヨークに渡ったはいいけど、アポロシアターのハーレムあたりで5日間連続でカツアゲされたんです(笑)。最後は財布もすられて、無一文でドミトリーに戻って、1000円ずつカンパしてもらって家に帰りました。18歳のときだったかな。よくやりましたよね、初めての海外で。

三反田 今回は海外との比較の話から、日本のサブカルの話まで、とても幅広い話題になりましたが、僕も、いろいろな発見があって楽しめました(笑)。また改めて、お二人と一杯飲みたいですね。今日はどうもありがとうございました。