塩塚 日本人の悪いところだと思うのが、会社に対する“ぶらさがり力”が半端ないこと。

三反田 分かりやすいな。「ぶら下がるな」と。

塩塚 中国の部下って、自分で仕事を取りに来るんですよ。取ったら、その分の給料を上げろと交渉してくる。私はこれだけやったんだから、その分の給料をください。仕事をどんどん増やしたんだから、それくらい当然だと。日本はそういうのないですよね。与えられたことだけ、これしかやりませんみたいな。日本って、本当に資本主義なのかと思う。

 それはすごいな。

塩塚 たぶん、会社にぶら下がるのは当然で、それも大事な生き方だろうし、それを守るのが経営者なんだろうと思うし、それはそれでスゴイし立派なんですが、僕はそれが好きじゃないということなんです。

三反田 久弥(さんたんだ・ひさや)。パラシュート 代表取締役社長。2000年に、一生付き合える仲間作りをテーマに若手経営者の会である「若手商店街」を設立。現在、北海道、関東、東海、関西、九州、沖縄の6支部があり、会員数は約400社を数える。現在、全国代表理事。他に日本介護協会常務理事やグローバルキャリア協会理事などを歴任する。(写真:加藤 康)
三反田 久弥(さんたんだ・ひさや)。パラシュート 代表取締役社長。2000年に、一生付き合える仲間作りをテーマに若手経営者の会である「若手商店街」を設立。現在、北海道、関東、東海、関西、九州、沖縄の6支部があり、会員数は約400社を数える。現在、全国代表理事。他に日本介護協会常務理事やグローバルキャリア協会理事などを歴任する。(写真:加藤 康)

三反田 グローバル化ということも伺いたいんですが、2019年のラグビーW杯日本大会、2020年の東京五輪に向けて、来日観光客が増えていくと思っています。日本の良さを知ってもらえるので、その後は海外に進出しやすくなるだろうと見ているんです。

 しかし、問題は日本人自身が自分たちの良さを分かっていない、良くも悪くも自分たちの身の丈を知らない。そして、将来的には一緒に働く人が日本人ばかりではなくなるという点もあまり意識していない。先ほどのぶら下がり力のことも含めて、この先の4、5年を見越して、何か考えていること、対策していることはありますか。

 長い目で見ると、「日本ユートピア構想」を考えています。この先、世界各地で高齢化が進行していったときに、医療技術も介護サービスも最高のものをそろえている日本で、世界の人々が老後を過ごせばいいじゃないかと。自然が豊かで四季もあるし、食べ物はおいしいし。日本で最期の看取りをする、日本がちゃんと世界のみなさんを受け取りますよという体制になればいい。

 そうすれば、子どもたち、孫たちもおじいちゃん、おばあちゃんに会いに来るようになるし、観光産業も発達するでしょう。日本を“最期の看取り”国家にすれば、技術やノウハウを外に持っていかなくてもいいのかなということも考えています。