斉藤 なるほど、8割と聞いて、世代間のことはあまり心配しなくてもいいのかなという気もしました。これも物事の見方・捉え方なんですけど。

 最近、70代、80代の方とお付き合いすることが多いんですが、その年になってもチャレンジし続けている人がいて、人間ってどこまでいっても2:6:2の法則は変わらないんだろうなと。どの世代もアグレッシブな人が2割、普通の人が6割、全然ダメなのが2割いるんですよね。だから耕ちゃんが8割って言ったのは、逆にいえば2割はリーダーとして頑張っているんだろう、そこに期待していけばいいんだろうなって思いました。

三反田 じゃあ、最後に総論というか、今後10年、15年、20年先に向けてお二人がどうしていきたいのか、今やっていることをどこへ持っていきたいか、展望をお願いします。

斉藤 僕からでいいですか。3つくらい視点があって、まず一つは僕自身のパーソナルな問題として、いくつになっても今のスタンスを変えない、良い意味で大人になりたくないということ。年を重ねていくと次第に夢を捨てたり社会の壁にぶち当たってこんなもんですよと保守的になってしまうことが多いけど、僕は50代、60代でも常に挑戦し続けている人間でありたい。

 次に、今の介護の問題。これが日本の最大の課題であるとともに、最大のチャンスでもあると思っているので、連合会を通して、日本の高齢化社会をきちんと持続可能な社会にしていきたい。逆に言えば、明るい高齢化社会を作りたい。次の30年は国内のマーケットが成長していきますが、その次はアジアの国々に高齢化の波が押し寄せていく。そこにまた新たなビジネスチャンスがあるはずなので、そこまで道筋を作りたい。

 最後に、介護という専門分野は、社会全体、日常生活全体までのサポートを含むものなので、ありとあらゆる業界や業種と接点を持つことができる分野だと思っています。その側面からも、日本という国全体を盛り上げていきたいですね。

浅水 僕は飲食店がメーンなので、まず飲食店の展開をしっかりとしていくこと。また、ブライダル事業も立ち上げていて、これを国や都市と提携を結んだうえで、「函館でブライダル」というムーブメントを起こしていきたいと考えています。

 そして地方活性化。これはどのビジネスにもつながると思うんですが、まずはアジアをターゲットに、道南・函館に来ていただくツアーを展開させていきたいですね。漁師の体験や朝市のセリ、道南の食など、目玉になる商品はいっぱいある。

 もう一つ、海外との提携として、ボクシングの世界タイトルマッチを、スリランカからミャンマー、ベトナム、カンボジアと巡回して3年以内には函館に持ってきたい。

 こうしたことを粘り強く続けていくことで、斉藤さんの介護を含めて、いろいろな化学反応を起こせるように力を付けていきたいと思っています。

三反田 なんかお二人の話を聞いていると、昔スポーツをやっていたことを思い出しますね。まず自分のチームでレギュラーになることを目指す、次は地区の選抜メンバーに選ばれて、都道府県の選抜、東日本あるいは西日本、そして全日本のメンバーになって世界を目指すというような。

 でも今、日本、特に地方はどうやって外需(インバウンド)を獲得するかという議論が盛りあがっていますけど、視点を変えると、日本国内の内需もあるし、アジア全体の視点で見た内需・外需もある。それこそ地球全体を内需と考えると、日本は高齢化していても、ほかの国やエリアが増加しているならそっちでやればええやん、っていう考え方もある。今までは競争の時代だったけど、もっとオールジャパンでアジア、世界と共存共栄していく、そんな視点で見ていくと、もっと考え方も捉え方も前向きになるのかなと、改めてお二人のお話を聞きながら思いました。今日は、ありがとうございました。