日本最大の課題と言われる「超高齢社会」と「地方創生」は、同じコインの表と裏である。それは単一の企業や団体が取り組んだだけで解決できる問題ではない。官民問わず横断的な幅広い協力を得ることが望ましいが、「言うは易し、行うは難し」。そんな課題に、介護、地方創生のそれぞれの領域から取り組む男たちがいる。「倶楽部セッテン」、今回のゲストは、2014年に「日本介護事業連合会」を創設した斉藤正行氏と、函館から日本を元気にする「函館黒船地域活性化協議会」を立ち上げた浅水耕太氏だ。
左から、三反田氏、斉藤氏、浅水氏(写真:加藤 康)
左から、三反田氏、斉藤氏、浅水氏(写真:加藤 康)
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三反田 今回は、パンチのある人をゲストにお呼びしたいなあということで、来ていただいたのがこのお二人です。それぞれの業界や地域ではかなり知名度も高く、露出も多い。

 年齢は近いんですけど、斉藤さんとは仲良くなるのに時間がかかったんだよね。この人、関西人なのに意外とさらっとしていて(笑)。介護関係の会議で出会ったんだけど全然しゃべらないんですよ。ボケもないし突っ込みもなくて、この人何を考えているのかなって全然読めなくて、ずっと警戒してた(笑)。

 浅水さんは函館をベースに活動している人で、こんなカサカサの声をしてるのに(笑)、ラジオの番組を持っているという有名人。おのおのの領域は全然違うんだけど、自分たちの事業を軸にしながらも、「日本を元気に」「海外へ発信」というような結構大きい志を持ってプロジェクトを立ち上げているので、今日はそのあたりのところを話していただこうかなと。

浅水 じゃあ、まず僕から自己紹介を。2005年に、生まれ故郷の函館で創業して今年で10年目。バーやイタリア料理店など飲食店を中心に6店舗を経営しています。

 なぜ函館にこだわっているかというと、外で悔しい思いをしたことがきっかけの1つです。僕は高校を卒業してすぐに千歳で自衛官になり、その後東京へ出て働いていたのですが、その時に「函館はすごくいいところなのに、なんで東京に出てきたわけ?」と聞かれて、僕から函館の良さを一つも挙げることができなかったという体験があったんです。

 函館で生まれ育った函館人だって言っているのに、ロケーションも含めて函館のいいところを何一つ言えない自分にひどく悔しい思いをしまして、まずはこの自分が生まれた町をちゃんと勉強して活性化して、それから日本を元気にしようというところにたどり着いたんです。

 で、まずは函館に対して何ができるんだろうと考えたときに、自分で起業して雇用を生むことだろうという答えになった。高校のときの仲間なんて、就職先がないからみんな出て行っちゃってるわけですし。そして最初に作ったのが「サンセット」というバーでした。バーを始めたのは、まあ若くてお金がないということもあったけど、僕は昔からすごく人が好きで、人を大事にしない人間は何も成功しないと思っていまして、まずいろいろな人が集まれる場所をつくろう、そう思ってのことでした。