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特許庁レポート 特許分析から探る日本の競争力

日本が世界リード、重要性増すアプリケーションに合わせた開発

平成28年度特許出願技術動向調査:GaNパワーデバイス

  • 特許庁総務部企画調査課
  • 2017/11/13 05:00
  • 1/4ページ

 パワーデバイスは、電力の制御や変換、供給を行うための半導体素子。窒化ガリウム(GaN)を用いた半導体素子がGaNパワーデバイスである。GaNは、高耐圧を維持した上で、より低オン抵抗化と高速化を図ることが可能な半導体材料として注目されている。そして、エネルギー問題の解決や高度情報化社会を実現する様々なシステムへの応用が期待されている。幅広い応用展開が期待される中で、各アプリケーションに適した特性を有するGaNパワーデバイスを開発することが重要だ。

 GaNパワーデバイスとは、窒化ガリウム(GaN)を用いた半導体素子であります。GaNパワーデバイスにおける素材の構成は、図1となります。GaN結晶は、GaN以外のバルク結晶を下地とし、バッファ層と呼ばれる歪み緩和層を介して成長します(へテロエピタキシャル成長技術またはヘテロエピ技術)。GaN結晶を形成する際の下地として、サファイア、SiC、Siなどを用います。GaNと下地との関係を、「GaN on サファイア」、「GaN on SiC」などと示し、ここではまとめて「GaN on X」と表します。

図1.「GaN on X」のイメージ図
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 GaN半導体素子の構造例を図2に示します。GaN系半導体はイオン結合性が強く、結晶内に自発分極による電界を生じ、また、AlGaN/GaNヘテロ接合における格子定数の違いから、AlGaN内部にピエゾ電界が生じます。AlGaNとGaNとの界面には、これらの電界によって2次元電子ガスが生じ、2次元電子ガスの電子密度は~1013/cm2と高いです(AlGaAs/GaAs HEMT、Si MOSFETでは、~1012/cm2)。そして、2次元電子ガスを介して、ソースとドレイン間に電流が流れ、この電流はゲート電極に印加する電圧によって制御できます。また、ゲート電極とAlGaNの間に絶縁膜を挿入した構造であり、絶縁膜を挿入することによって、ゲートリーク電流が抑制され、ゲート印加電圧を大きくできます。

図2. GaN絶縁ゲート電界効果トランジスタ(GaN MOSFET又はGaN MISFET)の構造
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 各素子は、図3に示すように、チップ化されます。素子のチップは、用途に応じて他の回路要素とともにパッケージに収容され、モジュールとなります 。パッケージは、主に、ケース、金属フレーム、リードから構成されています。

図3. GaNパワーデバイスの外観例
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 技術俯瞰図を図4に示します。GaNパワーデバイスは、大きくパワースイッチング分野と高周波分野に分けられます。要素技術として、材料から製品に至る物の流れに沿って整理しています。材料は、エピ用基板、エピ層及びその間に挿入するバッファ層のそれぞれに特有の材料技術に加え、材料の組合せからなります。各素子タイプは、対応するチップの構造及び組立体の構造に関する技術からなります。半導体の製造方法に関する要素技術として結晶製造、前工程、後工程、検査・診断からなる製造プロセスからなります。設計・シミュレーションは、材料の選定と組み合わせ、電磁界解析・熱解析を用いた素子構造の決定、製造工程のインテグレーション等と深く関係しており、共通要素技術として位置づけます。また、GaNパワーデバイスに関連する技術課題は、デバイス・モジュールと基板に分けて示しました。GaNパワーデバイスの主要な応用分野として、輸送機器、産業機器、電力、民生機器、情報通信機器、軍用を取り上げました。

図4. 技術俯瞰図
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