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特許庁レポート 特許分析から探る日本の競争力

ゲノム編集関連技術、質の高い知的財産権の確保を

平成28年度特許出願技術動向調査:ゲノム編集及び遺伝子関連技術

  • 特許庁審査第三部調査室
  • 2017/09/25 05:00
  • 1/4ページ

 ゲノム編集技術とは、ゲノム編集ツールを用いて生物のゲノムの標的配列を特異的に切断、挿入を行う技術であり、疾患の治療・診断や有用品種の育種など、多方面の産業に変革をもたらしうる基盤技術として近年注目を浴びている。同技術に関する特許出願状況を見ると、米国籍出願人・研究者は、特許出願件数、論文発表件数共に他国籍出願人・研究者を圧倒している。そして、米国では、常に特許出願件数が論文発表件数を上回っており、これは、研究の成果が特許出願に結びついていることを示している。ゲノム編集関連技術に代表される新規革新的技術に対し、我が国としても早期から最先端技術にキャッチアップし、投資サイクルを回し、質の高い知的財産権を確保していく必要がある。

 ゲノム編集技術とは、ゲノム編集ツールを用いて生物のゲノムの標的配列を特異的に切断、挿入を行う技術であり、疾患の治療・診断や有用品種の育種など、多方面の産業に変革をもたらしうる基盤技術として近年注目を浴びています。ゲノム編集ツールの開発は、今まさに急速な発展を遂げており、1996年にZFN(Zinc Finger Nuclease)が開発され、その後2010年に標的認識性が高いTALEN(Transcription Activator-Like Effector Nuclease)1が、2013年にZFN、TALENよりも作製が容易なCRISPR(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat)/Cas9の開発がなされています。

1 TALENはCellectisの登録商標です

 ゲノム編集技術の応用分野の1つとして、遺伝子治療が挙げられます。遺伝子治療は、遺伝子を直接体内に投与し、または、遺伝子を導入した細胞を体内に投与し、疾患原因となる変異遺伝子を正常遺伝子に修復すること、または、正常遺伝子を補うことで疾患を治療する技術です。

 ゲノム編集及び遺伝子治療関連技術(以下ゲノム編集関連技術と称する)の技術俯瞰図を、図1に示します。本調査では、ゲノム編集ツールの開発技術を「要素技術」、ゲノム編集ツールが影響をもたらし得る各種産業を「応用産業」に区分し、調査の対象技術としました。

図1 ゲノム編集及び遺伝子治療関連技術の技術俯瞰図
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世界各国において、大学・研究機関と企業とが活発なライセンス

 ゲノム編集関連技術の市場には、研究用試薬としてのゲノム編集ツールの他に、研究用モデル細胞・生物、疾患の治療・診断、農水畜産の育種、有用物質の生産などの応用産業での市場があります。現時点では、研究用試薬は非営利機関からの提供が主であり、かつ応用産業での普及は限定的であるため、市場はまだ形成されてはいない状況にあります。

 一方で、大学・研究機関、ゲノム編集ツール開発企業と応用産業分野で活躍する企業とのライセンス、コラボレーションライセンスやアライアンスは活発な状況にあります(図2)。

図2 ゲノム編集関連技術に関する企業相関図
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