イラスト:ニシハラダイタロウ
イラスト:ニシハラダイタロウ
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 二兎を追うなと人は言う。しかし、二兎を追うのもいいじゃないか。しかも、しっかりと追えば、二兎どころか三羽も四羽(ウサギはこう数える)も手に入れることができるかもしれないのだ。

 二兎を追う者は一兎をも得ず。昔の人はいいことを言ったものだ。私もずっとこの教えを守り、一つのことに打ち込んできた。この仕事もそうだし、昔、剣道に夢中だったころは、明けても暮れても、脇目も振らずに稽古に励んだものだ。だから勉強はできない、いや、しないように徹底していたのである(笑)。

 当然、社会人になった今も、コンサルタントとしてよそ様に何かを言う時は、やはり、二兎を追う者は一兎をも得ずと言い続けてきたのである。

 それがどうも、そうではないと思うようになってきた。これは宗旨替えではない。安易に二兎を追うのではなく、二羽のウサギがいて、その両方に魅力を感じたならば、その二兎を同時に追うのもいいのではないかと思うようになったのだ。

 そう言えば、私のコンサルタントとしての仕事も、それこそ二兎どころか数十のクライアントというウサギを追っているようなものだ。それも、常時複数の開発テーマを並行的に進めているのだから、数十どころか数百のテーマが同時進行しているのである。