Jayraj Nair氏(右)とVenkataraman Sriram氏。Nair氏は、2016年6月に国内で開催されたIICの公開シンポジウムに登壇した
Jayraj Nair氏(右)とVenkataraman Sriram氏。Nair氏は、2016年6月に国内で開催されたIICの公開シンポジウムに登壇した
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 産業用IoT(Internet of Things)の普及を推進するIndustrial Internet Consortium(IIC)の大きな特徴として、「テストベッド」の存在が挙げられる。テストベッドは、IICに参加する複数の企業が共同でIoTソリューションを具体的なシナリオに基づいて検証し、広く展開できるようにするためのものである。

 そのIICのテストベッドにおいて、さまざまなシステムを1つのソリューションに統合する「インテグレーター」の役割を積極的に担っているのが、インドに本社を置くIT企業のInfosys社だ。同社はどのような狙いでIICに参加し、多くのテストベッドを支援するのか。IoT事業を担当するJayraj Nair氏(Associate Vice President)と、最近まで日本事業のトップを務めていたVenkataraman Sriram氏(現・日本最高顧問)に聞いた。(聞き手は、高野 敦)

――まず、Infosys社について教えてください。

Nair Infosys社はインドのバンガロールに本社を置くIT企業で、設立は1981年です。直近の期の売上高は約95億米ドル(約1兆円)、全世界に約19万4000人の社員がいます。主力事業はITサービスや経営コンサルティングで、ここ数年はIoT関連のビジネスが伸びています。

 日本は、グローバルマーケット戦略の中でも重要な位置付けにあります。日本での事業は1997年に始めました。日本関連の事業に携わっている人員はインドのオフショアメンバーも含めると約1000人で、日本のグローバル企業の海外展開や海外企業の日本事業を支援しています。

――IICに参加する狙いは何ですか。

Nair IICはIoTソリューションのいわば「リーディングエッジ」であり、300社近い企業から成る壮大なエコシステムが既に存在しています。Infosys社としては、このようなエコシステムを活用して、IoTソリューションを構築したい。そうでなければ、さまざまな企業と個別に標準化などについて議論しなければなりません。IICでは、共通の標準に基づいてIoTソリューションを構築していくので、パートナーシップを結びやすいという利点があります。