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 来月初め(2015年10月2~4日)、パルスオキシメータ・生体情報モニタ関連の国際シンポ「第4回“I am Pov”(Innovations and Applications of Monitoring Perfusion and Ventilation) 国際シンポジウム」が聖路加国際大学において開催される(オーガナイザーは同大学 特任教授の宮坂勝之氏が務める)。

 2011年に日本で開催される予定だった第3回は東日本大震災の影響で米国での代替開催になるなど、これまでの3回は海外で開催されてきた経緯があり、日本での開催は今回が初めて。我が国での開催は久しく待望されていたものであり、同機器群に関して関心のある多くの方々の参加を期待したい。

 パルスオキシメータは、医療機器の中では世界的にも利用の頻度が高まっている機器で、将来は健康機器への応用も期待されている。日本で発明されたにもかかわらず、事業化の面では米国企業などに遅れ劣っている。オリジナリティーを有する製品でありながら、なぜこうした状況を招いてしまったのか。

 これまでにも、本コラムをはじめ、多くの機会を通じて筆者なりには分析してきている。しかし、真の原因を突き止めるには、継続的な考察が必要だ。現実には、この製品を開発・製造している企業は日本だけでも30社程度あることも事実である。

 こうした現状を目の前にして、直接的な対応を図ることも重要だが、「パルスオキシメータ学」とも呼ぶべき基礎学問や開発テーマについて議論するのも、今後の方向性を探るうえでの重要課題といえる。