雇用を守るため、再エネより化石資源を・・・

 その計画の2番目に掲げられているのは、「米国人雇用を守る7つのアクション」。7つのうち環境・エネルギーに関連する3つのアクションは以下だ。

 「50兆米ドル分の雇用を創出できるシェールガス、石油、天然ガス、そしてクリーン石炭埋蔵を解放します」

 「オバマ・クリントン政権で阻止された(カナダからテキサス州に原油を運ぶ)『キーストーンXLパイプライン』の建設などの重要なエネルギーインフラプロジェクトを承認します」

 「地球温暖化対策の国際的な新枠組みである『パリ協定』への数十億ドルに上る支払いを止め、国内の水と環境インフラの整備に充てます」――

 トランプ氏を筆頭に、連邦議会の上院・下院ともに共和党が多数派を維持することになり、環境団体や再生可能エネルギー関係者中には、「もう、終わりだ」との嘆きもある。

 雇用を創出し、エネルギー自給を高める手段として、国内に埋まっている化石燃料の生産拡大だけが、「トランプ大統領時代」の答えになるのだろうか? 太陽光発電を含むクリーン・エネルギーは、エネルギー政策からはじき出されてしまうのだろうか?

 トランプ大統領の誕生で、今後の米国クリーン・エネルギー産業拡大に悲観的な見解が多いものの、来年に発足するトランプ政権の具体的なエネルギー政策については、実際のところ詳細がまた整っていない。今までの共和党主導の政権が過去に与えた太陽光発電産業への影響を振り帰ってみよう。