太陽光の出力抑制率は1%

 CAISOによると日食当日、太陽光発電の出力減少量は予想を下回った。さらに、日食後の急激な出力上昇によって、短時間であるが、太陽光発電の供給過剰が発生した。日食直後のCAISOでのリアルタイムにおける市場価格はネガティブになり、一部の太陽光発電所には出力抑制をかけたという。ただ、抑制量は同日の太陽光発電の総発電量のわずか1%に過ぎなかったという。

 太陽光の出力抑制をわずかなレベルに抑えられたのは、EIMによる広域の電力融通が貢献していると思われる。

 余剰分の電力輸出などに関する最新のデータは未だ発表されていないものの、2017年第1四半期(1~3月)におけるEIMの利点について、(参加地域における)「再エネの出力抑制の減少」が挙げられている。実際、カリフォルニア州を含む米国西部では2016年に太陽光が大量導入されたにもかかわらず、今年第1四半期の総出力抑制量は52.6GWhで、これは前年同四半期の112.9GWhに比べると半分以下に減っている。

 CAISOは周到な準備と計画で、日食の当時、出力の急減する太陽光発電に対し、柔軟な電源と市場を通じた広域ネットワークの利用で供給不足を防ぎ、さらに、日食後の太陽光発電の出力急増に対し、柔軟な電源を素早く制御しつつ電力市場を活用することで、太陽光発電に対する出力抑制を最小限に留めつつグリッドの安定性を保った。