毎分98MWで出力急増

 カリフォルニア州で太陽が月に隠れるのは、午前9時2分から11時54分の間で、日食の中心時刻は10時22分。これは、太陽光発電の出力が上がり始めた時に日食が起こり、 太陽光発電の最大出力が出る時間帯に日食が終わることになる。CAISOは、太陽光発電の出力ロスに加え、「ランプ現象」と呼ばれる太陽光発電の出力急減と急増を最も重要な課題としている。

 日食の始まる午前9時の太陽光発電出力は7.337GW。部分日食なので全ての発電が止まることはないものの、日食の中心時刻には出力が3.143GWまで下がると予想されている。これは同州の 太陽光発電所の出力がこの82分間に4.194GW減少することを意味する。1分あたり70MWの出力減(ランプダウン)となる。

 太陽が再び姿を見せ始める時は太陽光の最大出力の時間帯であるため、出力は毎分98MWで急増(ランプアップ)し、午前11時54分には出力は9.046GWに達すると予測されている。低出力帯から高出力帯への変化速度がたいへん速くなっている。ちなみに、日食が無い通常の日の午前9時から昼にかけてのランプアップは毎分12.6MWとなっている(図3)。

図3●カリフォルニア州における皆既日食時のメガソーラーの出力予測
図3●カリフォルニア州における皆既日食時のメガソーラーの出力予測
(出所:CAISO)
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