参加25社のうち22社が「トップパフォーマー」

 一方、太陽光発電市場リサーチ・コンサルティング会社である米SPV Market Researchの最新レポート (Photovoltaic Manufacturer Capacity, Shipments, Price & Revenues 2016/2017:2016・2017年 太陽電池メーカー生産容量、出荷量、価格と収入)によると、2016年のトップ10太陽電池パネルルメーカーは以下のようになる(図2)。

図2●トップ10太陽電池パネルメーカー
図2●トップ10太陽電池パネルメーカー
(2016年出荷量、出所:SPV Market Research “Photovoltaic Manufacturer Capacity, Shipments, Price & Revenue 2016/2017”)
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 DNV GL社の調査でトップパフォーマーに入っている、トップ10メーカーは、Trina Solar、Hanwha Q-Cells、Jinko Solar、Longi Lerriと、Yingli Solarの5社である。そうなると、トップパフォーマーに入らなかった、他のトップ10メーカーのパネルの品質、信頼性は低いということになるが、果たしてそれは本当だろうか。

 DNV GL社のジェンヤ・メイドブライ氏によると、この報告書用の試験に参加したのは25のパネルメーカー、そしてそのメーカーから提出された50のパネルが実際にテストされた。さらに、試験されたパネルは全て結晶系のみで、薄膜型や他のタイプは含まれていない。つまり、トップ10メーカーに入っている米First Solar社のパネルはもともと試験の対象外というわけだ。

 つまり、同試験は「自発的」に参加したパネルメーカーの製品をテストしたもので、一般に入手可能な市販品を網羅したものではない。

 エスピーヴイ・マーケット・リサーチ社のチーフマーケットリサーチアナリストであるポーラ・ミンツ氏によると、現在約100社以上の太陽電池セルメーカーが存在し、さらにパネルメーカーは約その2倍はある。25社の参加社のうち22社がトップパフォーマーに選ばれたという、数からわかるように、このテストには、品質に自信のあるメーカーや小規模なメーカーの広報目的で参加した可能性が高い。