需給ミスマッチを蓄電池の「放電」で最適化
ニューヨークでは2014年の1年間で過去の累計設置容量を上回る勢いで屋根置きの太陽光が設置された。太陽光の導入拡大は温室効果ガスの削減と大気質の改善に大きく貢献することは間違いない。
ただ、Con Ed社のサービス管轄内では、太陽光発電による電力供給のピーク時間帯と電力需要のピーク(午後5時以降)が異なっている。従って、夕方から夜にかけては、化石燃料を燃やす火力発電に依存することになり、太陽光によるクリーンな電力を送配電網の貴重な資産として最大かつ最適に活用できない(図2)。
Con Ed社は、太陽光発電と蓄電池を「ペア」にすることで、変動する太陽光の電力供給をスムーズにし、さらに、需要に応じて供給(放電)することを目指す。
このプログラムは今夏、スタートする予定。各家庭には、7~9kWのSunPower社製屋根置き太陽光発電システムと出力6kW・容量19.4kWhの蓄電池が、SunPower社を通じて導入される計画だ。SunPower社は太陽光発電システムの供給に加え、プロジェクトのEPC(設計・調達・施工)事業者として、顧客獲得、システム設置、運営、メインテナンスサービスも受け持つ。
使用する蓄電池は、SunVerge社からSunPower社に納められる。さらに、SunVerge社の太陽光と蓄電池などの分散エネルギーリソースを群制御するソフトウェアのプラットフォームを導入する。